『悪性リンパ腫と診断されて頭が真っ白になった話』　＃１

これは、私が「悪性リンパ腫」と診断された日の記録です。
あの日のことを忘れないために、そして同じような経験をする誰かの力になれればと思い、ブログに残すことにしました。

告知を受けたときの私は、ただ座って医師の話を聞いていたはずなのに、頭の中は真っ白でした。
「悪性」「がん」「治療が必要」という言葉だけが断片的に心に突き刺さり、その意味を理解する余裕もありませんでした。

この記事では、診断を受けた日のことを、当時の気持ちとともに書いていきます。

最初に違和感を覚えたのは、首のあたりに小さなしこりを感じた時でした。
「リンパが腫れてるのかな？」「風邪気味だからかな？」と、そのときは深刻には考えませんでした。体がだるくて朝から疲れているような感覚もありました。

ただ、仕事や日常生活で疲れているせいだと思い込み、すぐに病院へ行こうとはしませんでした。

今振り返れば、これが「悪性リンパ腫のサイン」だったのかもしれません。
でも当時の私は、「少し休めば治るだろう」と軽く考えていました。

首の『しこり』や『体のだるさ』が続いていましたが、「そのうち治るだろう」と思って放置していました。
ところが数週間経っても良くならず、むしろ疲れやすさが増していくような感覚がありました。

そんなとき、家族から「一度ちゃんと病院で診てもらった方がいい」と言われました。
正直、自分ではまだ大したことではないと思っていたので気が進みませんでしたが、心配する家族の姿に押され、近所のクリニックを受診することにしました。

血液検査や触診を受け、その結果を見た先生から「少し詳しく調べた方がいい」と言われました。
紹介状を書いていただき、大きな病院で検査を受けることになったのです。

この時点では「やっぱり大げさに考えすぎじゃないか？」と、どこか楽観的に思っていました。
けれども、この後の検査で現実を突きつけられることになります。

大きな病院での生検手術の検査を終え、結果を聞く日。診察室に入った私は、少し緊張しながらも「きっと大したことはない」と自分に言い聞かせていました。

しかし、医師の口から出た言葉は予想もしなかったものでした。

検査の結果、『悪性リンパ腫』です。

その瞬間、頭の中が真っ白になりました。
先生は詳しく説明してくれていたはずなのに、ほとんど内容が頭に入ってきませんでした。
「悪性」「がん」「治療が必要」という言葉だけが断片的に心に突き刺さり、呼吸の仕方すら忘れてしまったような感覚になりました。

気がつくと、ただ椅子に座ってうなずいているだけの自分がいました。
心の中では「どうして自分が？」「まだ信じられない」という思いが渦を巻いていたのに、言葉にできませんでした。

診察室を出たときも、現実感がなく、まるで他人の話を聞いているような気持ちでした。
あの日の衝撃は、今でもはっきり覚えています。

あの日の私は、医師の言葉を受け止める余裕などまったくありませんでした。
「悪性」「がん」という言葉の響きに圧倒されてしまい、頭の中が真っ白になってしまったのです。

けれども、時間が経つにつれて少しずつ現実を理解できるようになりました。
インターネットで病気のことを調べたり、医師や看護師さんに質問をしたりするうちに、ようやく「自分はこの病気と向き合っていかなくてはならない」と思えるようになってきました。

また、家族や友人が寄り添ってくれたことも大きな支えになりました。
一人で抱え込んでいたら、不安に押しつぶされていたかもしれません。
「自分の周りには支えてくれる人がいる」と気づけたことは、絶望の中で小さな光のように感じました。

今でも不安はゼロにはなりませんが、少しずつ前を向けるようになってきたのは、周囲の支えと時間のおかげだと思っています。

診断を受けたあの日から、私の生活は大きく変わりました。
これから始まる治療への不安、仕事や家族のこと、将来への心配…。考えれば考えるほど、心の中が重くなっていきました。

そんな中で思ったのが、「この気持ちをどこかに残したい」ということでした。
頭の中だけで抱え込んでいると、不安が膨らんでしまう気がしたのです。

このブログは、私自身の記録であり、心の整理でもあります。
そして、同じように「悪性リンパ腫」と告げられて不安になっている人が、少しでも「自分だけじゃない」と思える場所になればいいな、と願っています。

病気のこと、治療のこと、気持ちの変化…。
完璧に前向きなことばかりは書けないかもしれませんが、正直な気持ちをここに残していこうと思います。